こんにちは🏋️♀️杉並区西永福に新しくオープンした本格パーソナルトレーニングジム”ZEROフィットネス”の濱田銀河です!
みなさんは、普段のトレーニングでバーベルに付ける重りを決めるときに何を基準に決めているでしょうか?
一般的には、自分の1RM(1回ギリギリで挙がる重量)に対する割合で設定することが多いでしょう。
(例 1RMが100kg で80%1RMでトレーニングを行いたい場合、80kgでトレーニングを行う)
この方法は一般的にPBTとも呼ばれていますが、近年、このPBTに変わる画期的な方法としてバーベルの挙上速度を用いたアプローチであるVBT(Velocity Based Training)が注目を浴びています。
そこで、今回はVBTでの負荷の設定方法について紹介をしていきたいと思います!
従来のPBTの問題点
冒頭に示したように、伝統的に筋力トレーニングを行う際には1RMを基準とした割合で負荷を設定するPBT(Percent Based Training)という手法がとられてきました。
しかし、このPBTには様々な問題点が指摘されています。
問題① 1RM測定の危険性
負荷を設定するためには、1RMを測定する必要があります。
1RMを知る方法は、挙上できなくなる重さまで重量を増やし続けて測定を行う直接法と、3レップや5レップギリギリ挙がる重量を測定し換算式での1RMを算出を行う間接法があります。
しかし、これらの方法はフォームの崩れによる怪我のリスクがあります。
また、トレーニングへ身体が適応するに応じて負荷の基準を再度設定する必要があるので頻繁に1RMを測定する必要があります。
したがって、怪我のリスクが高い1RM測定を頻繁に行う必要があるため、アスリートにとっては大きなリスクになると考えられます。
問題② 日々のコンディションの変動を考慮できない
僕たちは生きている限り、疲労や栄養、睡眠等の様々な要因でコンディションが変動していきます。
同様にトレーニングで発揮できるパフォーマンスも変動していきます。
先行研究においても
筋力(1RM)の日々の変動性は示されており
トレーニングにおいて、この日々のコンディションの変動は無視することはできないでしょう。
しかし、PBTはトレーニングを行う前の1地点での1RMを基準にしているため、日々のコンディションの変動を考慮することができません。
このような状況では、トレーニングの負荷が目的とするものよりも低すぎるもしくは、高すぎるというような事態が起こり、成長が停滞したり、オーバーワークに陥ったりする可能性が考えられます。
これらの理由から、PBTは負荷の設定方法として最適とは言えない可能性があるといわれています。
速度を用いた負荷のオートレギュレーションとは
以上に挙げられたPBTの問題点を解決しうるトレーニング法として、Velocity Based Training(VBT)があります。
VBTはバーベルの挙上速度を測定し、モニタリングすることでトレーニング変数(負荷、ボリューム等)を調節するトレーニング法の総称です。バーベルの挙上速度は、バーベルの端に線形のトランスデューサーや加速度計等の専用の機器を取り付けて測定をします。
↑こちらは線形トランスデューサー(vitruve社製)
近年、ベンチプレスやスクワット、ベンチプレスなどの様々な種目に置いてバーベルの挙上速度と負荷(%1RM)に強い関連性があること、最大筋力が向上してもこの関係性は変わらないことが報告されています。
したがって、この速度と負荷の関係を利用した速度-負荷プロフィールを作成し、速度を基準として負荷を設定することを先述の問題点を解決することができると考えられます。
図にスクワットの速度-負荷関係の1例を示しています。
この場合、80%1RMでトレーニングを行いたい場合は約0.7m/sで挙上ができる負荷でトレーニングで行えば良いということになります。
また、繰り返しになりますがこの80%1RMの挙上速度は0.7m/sというのは筋力が変動しても変わらないため、1RM測定を何回もしなくてもよく、コンディションの変動にも対応できることから、PBTの問題点を解決しうる手法であるといわれています。
ちなみにオートレギュレーションとは、個々のコンディションのに対応してトレーニング変数を調節する概念であり、この場合は、速度を用いた負荷のオートレギュレーションということができます。
速度-負荷プロフィールの作成方法
挙上速度を用いて負荷のオートレギュレーションを行うためには、自分自身の速度-負荷プロフィールを作成する必要があります。
一から計算式等を勉強するのは、なかなかしんどいと思うので、筆者が普段使うエクセルシートを活用する形で今回は説明していきます。
速度-負荷プロフィールに必要なデータの測定法
まず速度-負荷プロフィールを作成するのに必要な情報は以下になります
①軽い負荷(約30~40%1RM程度)と高負荷(約70~85%1RM)での挙上速度 ※オススメは低→高の負荷で5つのポイントでの速度
②1RM時の挙上速度
今回は、1RMが237.5kgの筆者のスクワットを対象にして
①は70kg(約30%1RM)→120kg(約50%1RM)→170kg(約70%1RM)→205kg(約85%1RM)の4点で測定を行い
②は過去の筆者の1RMの挙上速度を用いて作成していきます。
測定を行うにあたってのルールが2つあります。
1つ目は全力で最大速度を発揮するように挙上を行うこと
2つ目は1.00m/s以上の速度が出る場合は3レップ実施し、最も速い速度を
1.00m/sを切ったら2レップ実施し最も速い速度を
0.5m/sを切ったら1レップ実施し、その速度を採用する
になります。
これを守らなければ適切な値が出ないのでご注意ください。
それでは測定です。
測定結果は以下のようになりました。
70kg→0.93
120kg→0.66
170kg→0.45
205kg→0.32
②の1RMの速度に関しては、以前の測定データである0.18m/sを使用します。
ちなみに自分の1RM速度は一度測ってみることで速度-負荷プロフィールの精度は上がりますが、怪我のリスクが気になる方は一般的にいわれている各種目の1RM速度を以下に示します。
スクワット0.32m/s
ベンチプレス0.18m/s
デッドリフト0.24m/s
シートへの入力
それでは、測定したデータを記入していきましょう。
まずはこの赤い枠で囲んだ青いセルに負荷を、白いセルにその時の速度を入力します。
入力したらこんな感じ。
横にスクロールすると1RMの速度を記入するシートがあるのでここに、1RM速度を入力(今回は0.18)
入力したら、こんな感じ。
ちなみに推定の1RMも出せます。
231.6kgなので筆者の1RMとそこまで離れてないのでなかなかいい感じですね。
横にスクロールしていくとトレーニングゾーンという欄があります。
ここには、各%1RMでの挙上速度が算出されています。
このデータで言うと、80%1RMでトレーニングを行いたい場合、0.39m/sで挙げられる負荷で行えば良いということになります。
まとめ
いかがでしたか?
今回はトレーニングの新常識としてVBTの中で、速度による負荷のオートレギュレーションについて紹介しました。
実を言えば、このVBTは専用の機器と知識があるスタッフがいなければ適切に実施することができません。
しかし、当ジムでは専用の機器とVBTの知識を有したスタッフがいますので、自身のトレーニングにぜひ取り入れたいと言う方がいらしたらお気軽にお問い合わせください!
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