こんにちは🐥
西永福にあるピラティス&パーソナルトレーニングZEROフィットネス、パーソナルトレーナーの草野です!
近年「GLP-1受容体作動薬」を使ったダイエットが注目を集めています。
GLP-1受容体作動薬、「オゼンピック」「マンジャロ」という皮下注射薬の名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
芸能人やインフルエンサーの影響もあり「痩せる薬」として若い女性を中心に話題になっていますが、その実態やリスクについて正しく理解している人は少ないかもしれません。
マンジャロ(持続性GIP/GLP-1受容体作動薬)とは?
マンジャロを投与すると痩せる機序を説明します。
痩せホルモン「インクレチン」
私たちの体には「インクレチン」と呼ばれるホルモンがあります。代表的なものに GLP-1 と GIP があり、食事をしたときに腸から分泌され、血糖値を上げすぎないように働きます。
インクレチンには次のような作用があります。
・脳:食欲を抑える
・膵臓:インスリンの分泌を促す
・胃:胃の動きを抑えて満腹感を与える
・グルカゴンの抑制:血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)の分泌を抑える
このような作用から「痩せホルモン」と呼ばれることもあります。

ところが、インクレチンは「DPP-4」という酵素によって非常に短時間で分解されてしまうため、効果が長く続きません。
そこで糖尿病治療のために開発されたのが
・DPP-4阻害薬(分解を防ぐ薬)
・GLP-1受容体作動薬(GLP-1を補う、分解されにくくする)

GLP-1受容体作動薬の製品一覧

GLP-1受容体作動薬の副作用
代表的なものは以下の症状です。
・悪心(吐き気)
・胃のむかつき
・食欲減退
・食の好みが変わる
など
マンジャロ(GLP-1受容体作動薬)は主に2型糖尿患者のための薬
GLP-1受容体作動薬は、誰でも手軽に使える“痩せ薬”ではありません。
医師が処方を検討するのは、次のようなケースです。
・2型糖尿病の患者
・食事療法や運動療法を十分に続けても効果が不十分な場合
・BMIが27以上で、肥満に関連する健康障害(高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群など)が2つ以上ある場合
・BMIが35以上の高度肥満の場合
つまり、GLP-1受容体作動薬は 医学的に治療が必要とされる患者さんのための薬 です。
「ちょっと体重を落としたい」「夏までに痩せたい」といった目的で気軽に使うものではありません。

ちなみにBMIとは
BMI(Body Mass Index)とは、身長と体重から算出される肥満度の指標です。
計算方法は
BMI = 「体重(kg) ÷ (身長(m) × 身長(m))」
例えば、身長160cm・体重60kgの人なら、
60 ÷ (1.6 × 1.6) = 23.4
となります。
日本肥満学会では、BMI25以上を肥満としています。
さらに、BMI35以上は「高度肥満」とされ、糖尿病や高血圧などの合併症リスクが高まるため、治療の対象となることがあります。
BMI早見表
https://healthy-food-navi.jp/?post_type=use&p=3584
栄養指導NAVIより
「マンジャロ」が近年大注目の理由
【新薬】GLP-1/GIP受容体作動薬の登場
GLP-1受容体作動薬そのものは以前から糖尿病治療薬として使われていました。
しかし近年になって、新しい薬の登場とともに「ダイエット薬」としての側面が強く注目されるようになりました。
・2020年:GLP-1の作用が強い「オゼンピック」が発売
・2023年4月:GLP-1に加えてGIPにも作用する「マンジャロ」が登場
→ GLP-1とGIPの両方に働きかける薬は唯一であり、強い効果が期待されている
血糖値低下作用、体重減少効果が強いオゼンピックよりも更に体重減少効果が高いマンジャロは、「食欲を抑える・痩せられる」といった効果が話題となり、医療関係者だけでなく一般の人々の間でも一気に注目を集めました。
SNS、メディアの影響
芸能人やインフルエンサーが「痩せる薬」として取り上げたこともあり、本来は糖尿病や高度肥満のための治療薬が、一般的なダイエット目的で使われる流れが広がっています。
マンジャロをダイエット目的で使用するリスク、副作用
GLP-1受容体作動薬は、医療の現場で必要とされる大切な薬です。
しかし、ダイエット目的で安易に使うと、思わぬリスクを抱える可能性があります。
適応外で使用された場合の安全性及び有効性については確認されていません。
使用中の副作用
使用条件に満たない人への投与では「生活の質を下げる」、「命に関わる」副作用が見られた事が報告されています。
・吐き気・下痢・便秘などの胃腸障害
長く続くと栄養不良や体力低下につながります。
・低血糖や意識障害
本来糖尿病の治療に使われる薬ですので、血糖値が下がりすぎてしまう危険もあります。
低血糖による意識障害、これは命に関わるリスクです。
・オゼンピックフェイス
急激に体重が減ることで、顔の皮下脂肪が失われ、頬がこけて老け込んだ印象になってしまう現象です。
若さや肌のハリを失うことにも。
投与中止後
GLP-1受容体作動薬を適応外で使用した場合、薬をやめた後に深刻な副作用が現れることがあります。
これは「薬の力で食欲を抑えていた」ことの裏返しであり、自然な食欲や代謝のバランスが崩れてしまうためです。
・強いリバウンド
薬を中止すると抑えられていた食欲が一気に戻り、短期間で急激な体重増加が起こるケースがあります。
以前のブログでもご紹介したとおり、短期間での急激な減量は筋肉量の減少率が高い事もあり、リバウンドのリスクが非常に高くなります。
「短期間で体重を減らせる?糖質抜きダイエットの実態」
https://zero-fitness.com/the-reality-of-the-low-carb-diet/
「痩せた」と思った直後にリバウンドするため、心身の負担が非常に大きくなります。
・摂食障害
食欲のコントロールが乱れることで、過食や拒食といった摂食障害に移行する可能性があります。
薬をやめた途端に食欲が爆発して 過食→リバウンド
「食べたいのに食べられない」状態が続き、食事が苦痛になる
「食べること自体が怖い」と感じてしまう
食事から楽しみが消え、精神的にも追い詰められる
・投与への依存
「薬がなければ痩せられない」という思考に陥り、精神的にも薬に依存してしまう危険があります。
その結果、長期的な使用に走り、副作用や健康被害のリスクがさらに高まります。
長期的な投与
低血糖症状
急性膵炎
胆嚢炎
胆管炎
などの重篤な疾患に結びつく可能性が報告されています。
医薬品医療機器情報提供ホームページより
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/530471_2499422G1024_1_00G.pdf

医師の説明不足が問題視されている
自由診療クリニックでは、十分な説明がないまま処方されるケースも少なくありません。
「打つだけで痩せられる」「食欲が落ちて簡単に痩せられる」という魅力的な一言だけでは違法薬物の誘惑のようですね。

マンジャロの適応外使用、医師会・厚生労働省からの注意喚起
さらに厚生労働省も以下のように注意を呼びかけています。
・適応外で使用された場合の安全性や有効性は確認されていない。
・肥満症以外での痩身・ダイエット目的で使用することはできない。
・適応外の使用で重い副作用が出ても、医薬品副作用被害救済制度の対象外になる可能性が高い。
・実際に、一部の医療機関では美容・痩身目的で使用されており、本来必要な糖尿病患者への薬の供給に支障が出ている。
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001177708.pdf
このような注意喚起が出されているにも関わらず、
使用基準に満たない適応外患者への処方をする医者がいる
「マンジャロ〇〇%OFFクーポン」というワードを目にする
オンライン診療ができる
おかしい事だとは思いませんか?
本当に必要な患者に薬が届かない問題
GLP-1受容体作動薬は本来 2型糖尿病や高度肥満の治療 に必要とされる大切な薬。
しかし近年の美容や痩身目的での使用が広がったことで、本当に必要な患者に薬が行き渡らないという深刻な問題が起きています。
先程の記述のとおり、厚生労働省も注意を呼びかけています。
流行っているから、痩せたいから、と気軽に手に入れる人がいる一方、本当に必要な患者の命や生活を脅かすことにつながるのです。
不正に薬を利用するのではなく、正しい知識と自分を磨く努力で理想を手に入れて欲しいです。
痩せることは本当に美しいのか?
そもそも考えてみてください。
「痩せること=美しいこと」なのでしょうか?
痩せていなければ価値がない、魅力がない――そんなことはありません。
私たちは毎日のようにSNSやメディアを通じて「痩せている=美しい」という情報に触れています。
そのため、自分の基準を見定めるのは確かに難しいかもしれません。
細い女の子に憧れを抱く気持ちは私も理解できますし、私の思う美しさが全ての女性の美の基準だとも思いません。
しかし、健康を失ってまで手に入れる美は本当の美ではありません。
大切なのは、誰かの基準に合わせることではなく、自分が心地よく過ごせる体と心を育てることです。
「あの人がどう見ているか」という承認欲求を追いかけるよりも、自分を大切にし、自己肯定感を高めることが、長い目で見て本当の魅力につながっていきます。

トレーナーを頼るという手段
GLP-1受容体作動薬を使う前に、まず確認してほしいことがあります。
それは、今の自分の身体状況を正しく理解することです。
BMIは基準値にあるのか?
医療的に薬が必要な状態なのか?
それとも、食事や運動を見直すことで改善できる状態なのか?
もしダイエットが目的であれば、まずは 食事管理と運動療法 を正しく行うことが基本です。
ここで大切なのは「自己流で頑張る」ことではなく、正しい方法を選び、続けられる環境を整えること。
トレーナーは、あなたのライフスタイルや体質に合わせて、
食事の取り方
運動の内容や強度
習慣化のサポート
など、多方面から支援することができます。
薬に頼らず、健康を守りながら理想の体に近づける方法は必ずあります。
そしてその過程で得られる「体力・自信・習慣」は、薬では決して手に入らない一生の財産となります。
まとめ 〜自分らしい美しさを大切に〜
GLP-1受容体作動薬は、本来医療のために開発された大切な薬です。
安易に「痩せる薬」として手を出すことは、健康を害したり、本当に必要な人に薬が届かなくなる原因にもなります。
私が伝えたいのは、美の基準は誰かが決めるものではなく、自分自身の中にあるということです。
流行っているからといって飛びつくのではなく、必ず自分で調べ、メリットとデメリットを冷静に天秤にかけてください。
そして何より、あなたはすでに 唯一無二の存在 です。
他人と比べるのではなく、自分を大切にし、自己肯定感を高く持つことこそ本当の美しさにつながります。
薬ではなく、正しい知識と習慣で健康を育てながら、自分らしい魅力を磨いていきましょう。
私たちトレーナーは、その過程を全力でサポートします。

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